スイス、ボーモン・デュ CHUV病院の神経科医主任が教えるアルツハイマー病を理解する5つのヒント

スイスの雑誌L'ILLUSTRÉのWEB版記事を要約してご紹介です。





アルツハイマー病は最も怖い病気の一つです。まず、それは一度に攻撃するのではなく、何年にもわたって隠れながら進行し、食べたり、服を着たり、買い物をしたり、愛する人々との会話などが困難になる病気です。





狂気の如く恐ろしいアルツハイマー病ですが、実のところその正体はまだ明らかにされていません。





ボーモン・デュ CHUV病院の神経科医主任であるジャン・フランソワ・デモネ氏教授の助けを借りて、非常に多くの疑問ともう少し明確にしてみましょう。





1.認知症・アルツハイマー病とはどんな病気でしょうか?





認知症・アルツハイマー病はパーキンソン病と同様に神経変性疾患です。記憶を正面から攻撃するため、物忘れ等が多発した時に最初に疑うべき病気です。





ジャン・フランソワ・デモネ氏によると、この病気は脳の特定の領域に2つのタイプの毒性タンパク質がゆっくりと蓄積することによって引き起こされます。一つ目はアミロイドβで、細胞外に微視的なゼラチン状のプラークを形成、二つ目はニューロン内に沈着し、神経原線維変性を引き起こすタウタンパク質です。アルツハイマー病の特徴を表す、これら2つの病変は、最新のMRIにより可視化可能になっています。





病気の主な症状は、記憶喪失、言語障害など、自分で服を着ることさえ困難になる可能性があります。65歳から90歳と疾患の有病率は年齢とともに増加し、60歳で1%、90歳で最大40%となっています。





2.患者数は増えていますか?





スイスでは、150,000人を超える人々が苦しんでいます。連邦保健局は、この数値は2040年までに2倍になると予測されています。同時に、世界では推定2億人の患者がいますが、疫学的に正確な数は予測困難で、認知症の症例の半分ほどしか診断されていないと言われています。そして、平均寿命が長くなるにつれ比例して増加し、25年前に行われた悲観的な予測が現在実現しているという状況です。





3.この病気から身を守ることはできますか?





一般的によく考えられていることとは対照的に、遺伝的要因のアルツハイマー病は非常にまれで、症例全体の1%にすぎず、多くの場合、長期的な生活習慣が原因となっています。 





心臓に良いものはすべて脳に良いと専門家が言うように、アルツハイマー病は心血管疾患とも関連し、糖尿病や高血圧(喫煙、過体重、運動不足、アルコール)に加え、加齢が進むに連れて発病していきます。





4.この病気は治療できますか?





2018年、フランスでは現在処方されているアルツハイマー治療薬は、十分な効果を見いだせないとして、薬の処方の中止が決定されました。





アルツハイマー治療薬の問題は、薬が脳組織にうまく浸透しない為、したがって、効果がほとんど見いだせない事です。しかし、大半の患者は医師が薬を処方してくれると思っているので、医師が薬無しで患者との信頼関係を築くことが難しくなっています。もし薬の処方無しで、信頼関係を出来れば、患者の生活習慣の改善や、病気の進行を遅らせるために愛する人との関係を強化する事を助ける等。医師が出来る事は増えるはずです。





5.新しい効果的な治療法の到着を期待していますか?





世界中の多くの研究室でアルツハイマー病に挑戦する試みが行われてきました。 しかし、大手製薬会社が2002年以降に実施した500件の臨床実験のいずれも、新しい効果的な治療を見出す事はできませんでした。





製薬会社は慈善家ではなく、お金を稼ぐために存在しています。医薬品市場は、世界で2番目に大きな市場で、新薬の開発には約50億ドルの費用がかかります。しかし、アルツハイマー病の研究は、現時点では不採算で、さらに悪いことに、認知症治療の研究は癌治療研究の2倍も資金が必要になってくる為、研究が進んでいるとは言えない状況なのです。





6.他の治療法はありますか?





私たちは現在、多発性硬化症と同じように免疫系に作用し炎症を予防することに関心があります。しかし、免疫システムに介入することは非常にデリケートです。研究は、私のジュネーブの同僚であるGiovanni Frisoni氏によって、エジンバラ大学と共同で、腸内細菌叢を中心に行われています。また、アミロイドβを局所的に除去するための電磁的方法や超音波による脳刺激等がありますが、疾患の初期段階でのみ考慮できる手法になっています。





アルツハイマー病の患者を救う、カンナビノイド(CBD、THC)利用





ジュネーブ特別養護老人ホームは、5年前にカンナビノイド(CBD、THC)を処方して居住者の快適な生活を改善することを目的としたパイロット実験を開始しました。
多くの従来型EMSと同様に、アルツハイマー病の高齢患者の受け入れに特化した施設では、神経弛緩薬、抗不安薬、鎮痛剤を投与して患者の状態を改善し、治療ユニットによるケアを促進しています。

一部の人々は、神経遮断薬が十分に機能しません。このため、5年前にこの種の治療の行き詰まりを解決する為、連邦保健局からカンナビノイド(CBD、THC)をテストするための特別な許可取得しました。





素晴らしい効果





養護施設の住民へのパイロット実験は、2017年12月から2018年6月まで行われ、患者は1日最大はTHC 12 mgとCBD 24 mgを摂取してもらいました。効果は非常に顕著で、特に「筋肉の収縮への影響は劇的でした」自分で洗濯を出来るようになったり、多く人に痛みの減少があり、精神状態の改善が見られ人間関係の改善がみられました。
現在でも施設の55人の居住者のうち、19人はカンナビノイドを使った治療が続けられており。これにより、神経遮断薬と鎮痛剤の消費量が減少しました。





引用:https://www.illustre.ch/magazine/alzheimer-demente-maladie-tant-peur



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